その30で、英語の論理の基本は、S+V+O (主語+動詞+目的語)の構文にあると私見を述べました。

実は、ものの本によると、英語の語順が現代のものとほぼおなじ形に確立したと考えられるのは、1500年ごろとのことです。それは、ちょうどコペルニクスの地動説を、ガリレオが望遠鏡を使った天体観測をもとに実証的に正しいと導いた頃でもあります。しかし教会の迫害などもあって、真に認められるまでには、なお時日を要した時代でもありました。

急速に発展する科学・技術での事象、事実を正確かつ客観的に表すために英語もそれなりの発展、発達を遂げていったのです。

その30で挙げた英文、The glass broke. をGoogleで検索すると、地震に関する記述に、その英文がよく登場します。だから英文そのものは間違いではないのです。しかし、僕が「極論すれば間違いだ」と述べたのは、通常グラスが自ら割れることはなく、あり得ないから間違いだと言ったのでした。

英語には必ず主語があります。日本語ではしばしば主語は省略されたり、ときには分からないことすらあります。英語は主語が省略されることはまずありません。だから、They broke the glass. なのです。

英文を聴いたり、話すときに、主語を認識することがまず大切です。特に自分が話す、書くときには主語をまず決めます。そしてそれに合った動詞と、その動詞に合った目的語を決めます。なるべく簡潔に表現します。それが例えば、They broke the glass. はい、これでおしまい、完結です。だからS+V+O (主語+動詞+目的語)が基本だと言いました。誰が、何を、どうした、これが英語の基本なのです。この土台さえしっかりしていれば、あとは装飾を付加するだけで、りっぱな家が建つのです。

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