つぎの英文をご覧下さい。

She said that she had been married to him.

そこで質問です。

この英文から彼女について分かることはなんでしょうか。

次から選んでください。

  • 彼と過去に結婚していたが、今は結婚していない。
  • 彼と過去の時点で結婚していることを言っているだけ(今も結婚しているかも知れない)。
  • 今も彼と結婚している状態が続いている。

はい、それでは、答は、、、

次の通りです。






◎彼女は、彼と過去の時点で結婚していたが、今は結婚していない。

なぜ、そうなるのでしょうか。

ここで、時制の一致について考える必要があります。

上記の英文には2つの時制が混じっています。

  • 1つは、She said という彼女が発言した時制=過去
  • もう一つは she had been married to him という時制=過去完了

つまり、主節は過去の時制、従属節は過去完了になっています。これが表しているのは、彼女が発言した(過去の)時点で、それよりももっと昔の話をしている(過去完了の形で)、ということです。

ここで、話を分かりやすくするために、時制をひとつ前に戻して、彼女の発言を現在に戻してみます。

その場合、次の2つの可能性があります。

  1. She says that she was married to him.  (従属節は過去形になる)
  2. She says that she has been married to him.(従属節は現在完了形になる)

1を和訳すると「彼女は、彼と結婚していたと言っている」となります。つまりここから分かることは、「彼女は過去結婚していたが、今は結婚していない」ということです。

2の文は、「今現在も結婚が続いていると言っている」という意味になりますが、今結婚していることを言いたいのであれば、わざわざ現在完了にする必要はありません。単に、She says that she is married to him. と言えば良いのです。なぜなら be married to ~ は、結婚しているという状態を意味するからです。

もしどうしても現在完了で表したいとすれば、現在完了にする明確な理由があるはずで、たとえば for five years (結婚生活が5年になる)とか、since 2010 (2010年に結婚して現在に至る)などを付け加えて、継続して結婚しているという一定の状況を説明するはずです。しかし、それがついてないということから、2の可能性は極めて少ないと考えられます。

したがって、彼女は過去結婚していたが、今は結婚していない(万一にもその発言をした後に復縁していなければ)と推論できることになります。

今回は、時制の一致について考察しました。

 

25+