童話「幸福の王子」を読んだことはありませんか。

あらすじはこうです。

王子は亡くなって像になりましたがやさしい心を持っていました。ツバメに頼んで自分の眼や体についている宝石を貧しい人々に分け与えます。最後はボロボロになると人々は像をこわして溶かしてしまいます。残ったのは鉛の心臓とツバメの死がいでした。神様がこの世にある清らかなものを二つ持ってくるように命じると、天使は王子の心臓とツバメを天国に持って来るのでした。

子供のころ、童話「幸福の王子」を読んでなんと悲しい物語なのか、打ちひしがれた気持ちになったのを今でも覚えています。

このリスニング講座を通じて、作者オスカー・ワイルドの壮絶な人生を知りました。

オスカー・ワイルド(1854-1900)は世紀末的文学の寵児ともてはやされました。しかしその栄光の頂上から奈落の底へ転落させられます。彼は、クイーンズベリー侯爵から、彼の息子であるアルフレッド・ダグラス卿との同性愛関係を巡り訴えられ、結局、訴訟に負け、2年の重労働の刑に処されたのです。名誉も財産も奪われ、刑務所から出た後はパリに渡り、人知れず極貧の中でこの世を去りました。

彼が残した警句、名言の数々は、独特の皮肉や揶揄の中にキラリと光る人生の真実が散りばめられています。

All women become like their mothers. That is their tragedy. No man does. That is his.

<女性たちは皆、その母親に似るようになる。それが彼女らの悲劇だ。男はだれも母親の望むようにはならない。それが男の悲劇だ。>

A little sincerity is a dangerous thing, and a great deal of it is absolutely fatal.

<わずかばかりの誠実さは危険だ。しかし、おびただしいほどの誠実さは絶対的な致命傷となる。>

 

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