(前回まで)7月24日(日)、携帯電話が通じなくなり、そのためインターネットが使えない事態に陥り、ややパニック。朝4時から復旧に取り組むも自力では無理と判断し、いったん二度寝してから市内のO2ショップへ。なんとか携帯電話の期限が延長され、インターネットが伝えるようになった。めでたし。しかし海外ひとり旅はトラブルの連続で、どう解決するかが問われる。

2022年7月24日(日曜)晴れのち曇りのち雨

アパートでの珍事
滞在しているフラットで真夜中に起こった怖い話については以前書いた。
この日記は記録にとどめるためなので、それ以外の珍事についても書いておこう。ところで、上記の「怖い話」の記事を書いたところ、前任者から「途中の階でどうみても居室でない部屋があり、夜な夜な異音が聞こえてくる」、「建物の外観と部屋のレイアウトが合ってない」、「なぜか大家は地下に住んでいる」などとさらに怖い話が出てきた。聞いてないよぉ。 

珍事その1  このフラットでは、洗濯したいときには共同の洗濯機を使う。洗濯機は1階の半地下にある。ボクは4階に住んでいる。ある日のこと。地下室に降りていって、洗濯機に自分の洗濯物を入れて選択コースをセットした。だいたい45分くらいかかると予測して、終わった頃に部屋から階段を降りていったときのこと。階段の下の方から、ターバン状にタオルを頭に巻いて、下半身はほとんど裸のような日本人の中年女性が上がってくるのが見えた。ふだんここの住民とは会うことがなかったので、すれ違うとき「こんにちはぁ」とあいさつした。しかし、なんとこちらをガン無視してそそくさと上がっていった。

この階段を降りていくときに、上がってくる日本人女性とすれ違った・・・。

うーん、感じ悪し、と思いつつ洗濯室に行って、洗濯機を覗くと新しい洗濯がちょうど始まったところだ。あれれ、ボクの洗濯物は?っと、よく見るとボクの洗濯済みの衣類が、置いて残してあったビニール袋に入れられているではないか。

先ほどの日本人の中年女性がおそらく怒りながら入れたのではなかろうか・・・・・・。

あとで想像するに、くだんの女性は、自室でシャワーを浴びるか、浴びたかで、そのとき脱いだ衣類を含めて、洗濯機にかけようと地下室に降りていったにちがいない。ところが、先客(ボクのこと)が洗濯機を使っていた。しかしその洗濯は終わっていた。そこで、コノヤローと思いながら、ビニール袋にボクの衣類を詰めて、自分の洗濯物を機械に放り込んだ。それで自室に帰る途中の階段で、降りてくるボクと出会ったというわけ。頭にタオルを巻いているわ、下着時に近い姿だったわで、気が動転して、あいさつを返すこともしなかったのだろう。(この想像は勝手な妄想にもとづく。)

居住していたアパート(英国ではフラット)の外観

珍事その2  ある日の夕方のこと。階段を降りて玄関を入ったスペースで、たまたまそのとき帰宅したらしい日本人中年女性(その1とは違う)と遭遇した。

こちらから、「こんにちはぁ。XXXと申します」とあいさつしたが、それを聞くやいなや、その女性は「ケラケラケラ」と笑い出した。

「うーん、なに、これ」(珍事その1につづき、うーーんと絶句した。)女性の服装はおよそしゃれっ気がなく、うらぶれた感じで、一瞬では何者か判別がむずかしい。このロンドンで、何をしているのか、まったく想像ができない。

前任のTちゃんから、ここに住む日本人女性と口をきいたことがあったが、その女性曰く「ここしばらく人と話をしたことがなかった」とのことだった。おそらく、このケラケラケラではないかと思う。きっとロンドンに来て、日本人ともあまり接触がなく、日本語を忘れつつあると。ついでに礼節も。

珍事その3 大家侵入事件は、結局お湯のサプライが停まったという悲しい展開になった。それが金曜の朝。ボクは友人宅で週末を過ごすことになっていたので、午後にオフィスから帰ってきて、フラットを出発するときに大家にその旨を伝えた。

その際、月曜日に配管工が来るまで、週末は住民はシャワーをどうするつもりか尋ねた。するとお湯がでないのは4階だけで、そこに住むのは4人だから、2階の9号室がいま空いているのでそこの鍵を開けておく、それを使ってくれという。いやな予感がした。おそらく珍事その1の半裸とか、珍事その2のケラケラケラと共同で使うことになるのではなかろうか? (彼ら2人が4階に住んでるかは定かでないが)週末を友人宅で過ごし日曜日の夜10時頃に帰宅した。さあ、シャワーを浴びなきゃと、2階の9号室に向かう。鍵は開いている。中に入って電気のスイッチを入れたが灯りが点かないではないか。しかたなくiPhoneのトーチライトを点けて浴室へ。大急ぎでシャワーを浴び、持参したバスタオルで身体を拭き、部屋を出た。なんとももの悲しい夜であった。

次の日は月曜、お湯が直らなければ、ふたたびこんな不便を強いられるの?ただでさえ、予報では熱波襲来というのに。シクシク。

ほとんど絶対直らないだろうと覚悟していたお湯のサプライは月曜の夜、帰宅すると直っていた。これはロンドンでは奇跡と呼ぶ。しかし、喜び勇んで、シャワーを浴びようとバスタブに入ったが、配管工がいじったのか、シャワーと本栓の切替が固くて動かない、つまりシャワーに切り替えられない。トホホ。

本栓から出てくるお湯を前任者が残していったボウル(洗面器みたいなプラスチック製の容器)に溜めて、それを頭からかぶって、行水スタイルでやり過ごしている。なんのことはない、思い返してみたまえ。子どもの頃、シャワーなどという洒落たものはなかったんだ。ワハハ。

(つづく)

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