日本人は一般に「最善を尽くす」「ベストを尽くす」という言葉が大好きです。

しかし、欧米のネイティブに対して、励ましの言葉をかけるつもりで Do your best! と言うのは注意が必要です。

マーク・ピーターセン氏がこんなエピソードを書いています。

氏がまだアメリカに居た頃で日本語を本格的に勉強する前のことです。日本人留学生に「これからテストがある」と告げたところ、Do your best! と返されて、びっくりして少し不愉快な気持ちになったという話です。

なぜびっくりし、ムッとしたのでしょうか。

そのわけを次のように書いています。

まずひとつの理由として、試験だからベストを尽くすのは当たり前なのに、「最善を尽くしなさい」と忠告をされたと感じられたことです。あたかも上から目線の発言と感じたわけです。

もうひとつ、上記の場面で不適切な表現と考えられる理由があると氏は言います。それは「今回成功するのは無理だろうけど、せめてベストを尽くしなさい。そうすれば悔いが残らないだろう」というニュアンスが含まれるというのです。

今となっては、日本人留学生がそのときにそんなつもりで発言したわけでないことがよく理解できると書いています。しかし、なにも知らずに欧米人がこの言葉を言われたとき、状況によっては不快になるかもしれないことは十分気に留めておく必要があります。

それでは、こんな場合、なんと言って励ましたら良いのでしょうか。

もっとも相応しく、汎用的な言葉が次です。

Good luck!

「成功を祈る」というのが元々の意味ですが、日常生活ではもっと気軽に「がんばって」「うまく行くといいね」との意味を込めた、前向きな言葉として使われています。どんどん使ったら良いですね。

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