はい、次の文を英語にしてください。
◎私の母は素晴らしい人生を送りました。
簡単ですね。おそらく多くの人が次のように訳したでしょう。
◎My mother had a wonderful life.
正しいです。それでは次の文はいかがでしょうか。
◎人生はひどく短く、時間はない。
これは有名な歌の一節を日本語にしたものです。シンプルに訳してみましょう。
◎Life is very short, and there is no time.
ここで質問です。初めの文では、a wonderful life でした。2番目の文、Life is… では冠詞がつきません。同じ life なのに一方は a がつき、もう一方は何もつかないのはなぜでしょうか。
よく数えられる名詞、数えられない名詞という言い方をします。この言い方だけだと、名詞には区別があって、ある名詞は数えられるがまた別の名詞は数えられないとの誤解をしがちです。
実は英語の名詞には、ひとつの名詞で可算、不可算の二つの性質を持つものが非常に多いのです。その名詞の使い方、属性によって可算になったり、不可算になると言う方がわかりやすいかもしれません。
life もそういう名詞です。どう区別をつけたらよいのかをお話しします。life を思い浮かべたときに、それが一つの人生として具体的に目に見えるものは a life なのです。母の人生はくっきりと目に見えるはずです。ところが、歌にある life is very short の life は「生きること」つまり「人生」の総称であり目に見えないものです。
さて、何の歌か分かりましたか。
はい、The Beatles の We Can Work It Out です。
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