Lichen  地衣類

「地衣類」って知ってますか。僕は全く知りませんでした。地衣類とは英語で lichen 【lάɪk(ə)n】ライケンと言います。

写真を見てください。地衣類は古い石や樹木の表面に生えています。ふだん何気なく、コケ(苔)と呼んでいますが、地衣類はコケとは形態も構造も異なります。

地衣類は、菌類のうちで、藻類を共生させることで自活できるようになったもので、その共生のあり様が興味深いのです。

Lichen is found all over the world. It lives for many years, perhaps centuries, but it is difficult to age it accurately.

<地衣類は地球のどこでも見つかる。長い年月を生きている。おそらく数百年にわたるがそれを正確に測ることは困難である。>

A lichen is a collaboration; it’s not a single organism, but two closely entwined organism living together and dependent on each other. This way of life is called symbiosis.

<地衣類は共生体だ。単一の生命体でなくて二つが緊密に絡みあって、お互いに依存しあって生きている有機体である。こういう生存状態を共生と呼ぶ。>

菌類と藻類がどう共生しているかというと、こういうことです。

・地衣類は菌類と、その中にいる藻類でできている。
・このふたつの関係は、家主と店子に例えられる。

・店子の藻類は、光合成(photosynthesis)で養分を作り出す。
・一方の家主の菌類は、自分で養分を作り出せないので、店子から養分をいただく(家賃のように)。
・そのお返しとして、菌類は水や栄養を集めてあげて、藻類を周りの環境から守ってあげる。

もうひとつ、注目すべきは、地衣類は国際宇宙ステーションの外部という過酷な環境でも耐えて生存したことです。火星に持ち込んでも生存できるのでないかという科学者もいるとのことです。

見かけは地味でまったく想像できないことだけど、地衣類にはとてつもなく興味深いミニチュア版の生態系(ecosystem)が詰まっているのです。

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