さあ、次をどう訳しますか。
「まことにうらやましい限りです。」
先日、英国人と話していて、「羨ましいね」と言うつもりで I envy you. と言ってみました。
すると相手はぽかんとした顔をしていました。こちらは軽い気持ちで、笑いを誘うつもりで言ったのですが、あまり切れた英語表現ではなかったことは相手の反応をみれば明らかです。
その後調べたところ、I envy you. という表現は状況によっては、相手の幸せと自分の境遇を比較して、文字通り「相手をうらやむ」「ねたましい」というニュアンスになるとのこと。
さあ、それでは、なんと言ったらよいでしょう。
同時通訳者、田村智子氏の著書、「同時通訳が 頭の中で一瞬でやっている 英訳術リプロセシング」(三修社)にある回答例です。
That’s really wonderful!
これは一つの例ではありますが、日本語の「うらやましい」気持ちを英語にするときには、「感情的な発想での自分の境遇との比較」ではなく、客観的かつストレートに「それはほんとうに素晴らしいですね」といえばよいとのこと。なるほど、発想の転換です。
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この間アメリカの友人と話していたら、「うらやましい」というニュアンスで”I am jealous.”と言っていました。改めて辞書をみると、うらやましいという気持ちを強くだすときに使うこともあるようです。
この間アメリカ人の友人と話していたら、「うらやましい」というニュアンスで”I am jealous.”と言っていました。改めて辞書をみると、うらやましいという気持ちを称賛の意を込めて表現するときに使われるようです。
Obaさん、仰るとおりです。以前まったく同じことを米国に留学経験もある大学の後輩が言っていました。通常の日常会話では I’m jealous. が日本語の「うらやましい」という気持ちとともに相手をほめるニュアンスで使われていることがわかります。状況として、たとえば親しい間柄、気安い友人ならば、間違いなく I’m jealous. がぴったりの訳になるのでないかと思います。I envy you. よりもベターな気がします。一方で今回の That’s really wonderful. は同時通訳者が通訳の場面で「いかに日本語の直接的表現を再加工して分かりやすい英語にするか」という観点で表現しているものです。ひとつの発想の転換としては興味深いものとして紹介しました。