Lascaux Caves ラスコー洞窟

(2016年11月6日初稿を補足、書き直しました。)

ちょうど今、タイ北部のチェンライで洞窟に閉じ込められた13人の少年とコーチの救出劇が世間の耳目を集めています。

今から80年近く前、1940年9月フランス南西部の村で、18歳の少年が友達3人と秘密の地下通路探検に出かけました。その数日前に少年の飼い犬が穴に落ち、その時に地下通路を発見したのでした。ありあわせのランプを手に穴に入ったところ、地下通路だと思っていたのは洞窟で、中には無数の壁画が描かれていました。これが、1万7千年前の旧石器時代に描かれた洞窟壁画が発見されたときのエピソードです。

洞窟の壁、天井には二千もの数にのぼる、馬、雄鹿、牛、野牛、山猫やサイ、人間、幾何学模様が赤、黄色、黒色で描かれていました。二十世紀最大の発見のひとつといえるものです。

No one knows for sure, but some say the images correspond to the constellations; others say they are visions they experienced during rituals; still others say they are a depiction of successful hunts.

<なぜ描かれたのか、誰もはっきりと分からないが、星座を表しているという人もいれば、儀式の際に見えたものを描いたのでないかという人もいる。さらには狩りが成功した様子を描いているという人もいる。>

洞窟内は一般に公開された時期もありましたが、いまは保護のため閉鎖され、見学は許されていません。

ちなみに、僕は2016年上野の国立科学博物館で開かれた特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」を見学しました。立ち入りできない洞窟の壁画を最新技術を用いて再現したものでした。洞窟を復元した中で、2メートルもの巨大な黒いウシや、地面から高さ2メートルの高い位置に描かれた泳ぐシカなどが、実物大で味わえる趣向がこらされていました。2万年も前にクロマニョン人が残した「人類の芸術の始まり」を体感したのでした。

 

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