ハワイには「ウミガメと会えるビーチ」があり、その浜辺には Turtle Beach という看板がありました。

ウミガメを見物した後、家族と次の会話をしました。

「タートル って、ウミガメのことだよ。それじゃ、普通のカメ、地上で生活しているカメのことを英語で何て言うか、知ってる?」

一般に日本人はカメのことをタートルというと思っていますが、turtle は「ウミガメ」のことです。ウミガメの特徴は足(四肢)がヒレの形をして、泳ぐのに適しています。一方で、いわゆるカメは、ヒレでなくて地上を歩く足を持っています。

ウミガメ リクガメ

日本で見かけるカメ、つまり陸亀のことを英語で何と言うでしょうか。

「ヒントを言おうか。それはね、日本のロックバンドのリーダーが、なんたら・何々って名前に使ってるんだ。最近はビールの宣伝にも出てるね。」

「わからない?じゃあ、もうひとつヒントを言うよ。ウルフルズのリーダー。」

「わかった!トータス松本だぁ!」

そうです。トータスは tortoise と言うスペリングで、陸亀を意味します。トータス松本は大のカメ好きでこの芸名をつけたらしい。

ところで、この tortoise に含まれる tort は「ねじ曲げる」という意味をもつ語幹です。陸亀の足が人間で言う「がに股」のように曲がっていることがその名前の元になっています。

この tort は他の言葉にも使われています。

そのひとつが、torture です。この語の意味は「拷問」です。拷問をするときに腕や足をねじ曲げたことが原義だと言われています。torture chamber と言うと拷問部屋のことです。ちなみに、国際会議で同時通訳士が入る小さなブース(小部屋)がありますが、この部屋のことを通訳仲間同士で torture chamber と呼ぶらしい。

他には、distort という語があります。これもねじ曲げるという意味を持つ動詞です。事実を歪曲するというような意味でも使われます(例 The fact was distorted. 事実が歪曲された。)

もうひとつ、retort という語は re(backの意味を持つ接頭辞)と tort から成る、「言い返す」という意味の動詞です。「ねじって戻す」ということから「言い返す」になるわけです。

タートルから

 

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