ある英語の本を読んでいたところ、次のことわざが出てきましたが、すぐには意味が捉えられませんでした。

Nothing succeeds like success.

Google で調べてみたところ、かなり有名なことわざらしく、たくさんのウエブサイトで引用されていることが分かりました。ところが日本語の訳が次のように書かれており、さっぱり意味が分かりません。

・一事成れば万事成す
・勝てば官軍

こういうときは、英語での説明を調べる方がよさそうです。そこで見つけた説明が次です。

used to say that one success often results in another success

要すれば、ひとつの成功はしばしば次の成功を生み出すということです。でもなぜこういう英語の表現になるのでしょう。ぱっと見には理解が難しいです。

そこでもういちど英語の表現を分析してみました。分析結果はこうです。

・おそらくこの文は、Nothing succeeds like success succeeds. が本来のものですが、後半の succeeds が繰り返しとなるため省略されているのです。
・そして、その succeed という動詞の意味は「続く、続いて起こる」という意味と考えられます。もちろんこの動詞は本来的には「成功する」という意味であり、その名詞形が success です。ただ、動詞の succeed には「継承する、相続する、後任となる」、「続く、続いて起こる」という意味もあるのです。
・従って、この文には、まず、Success succeeds. という表現が基本としてあり、これは「成功は続いて起こる」という意味です。
・次に、Nothing succeeds like ~ という表現ですが、Nothing ~ like はしばしば最上級の表現として「~ほど~のものはない」という意味で使われます。
・つまり、Nothing succeeds like success. は、文全体として、「成功ほど続いて起こるものはない」という意味になるわけです。

結局のところ、このことわざをどう解釈すればよいかということに行き着きます。いろいろな意味に捉えることが出来るのかもしれません。例えば「成功というものは連鎖していく、だからそれを切らさないように努力するべきである」ということや、極端な話としては「成功者はなにをやっても成功するようにできている」とまで。

ひとつ言えることは、人生をポジティブに捉えているのではないかというのが僕の感想です。悲観的になってはいけない、努力すれば成功は必ずやってくるし、成功ほど継続できるものはないのだからまず一つの成功を掴み取れという励ましのようなことわざではないでしょうか。

英語的な独特な表現として覚えておいて損はないと感じました。

 

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