(前回まで)月曜に大学へ初出勤して打合せ。前任者はもうすぐ離任してしまう。不安にかられる筆者、しかし、すぐに「なんとかなるやろ」と思い直す。自宅のフラットへ続く坂道がとてもきつい・・・・

6月28日火曜 快晴

出勤して、懸念したとおりIDカードの準備が完了してないことが分かりました。なんとなくこの辺の予感が働いていました。海外では、日本のようにものごとがきちんと進みません。そこで日本人はイライラすることが多いのですが、そこは日本でないことを思い起こすべきなのです。

さて、わがチームのエルちゃん曰く、今日データ入力しておくので明日、発行できるはずだとのこと。

率直に言って、そんなこともっと事前にやっておいてほしかったな・・・そんなに大変な作業でないはずなのに・・・と思うものの、そんなことはおくびにも出さず、

「かならずお願いしますね」

と言って、明るく微笑みます。

午前中、前任のTちゃんと打合せです。

今週は、金曜に我々がプレゼンを行い、そのあと出席者との質疑応答が予定されています。

そのシナリオをおおまかに決めます。

その上で、資料の骨子を取り決めます。そして資料の細部を仕上げていきます。

Tちゃんはぼくよりふたまわり近く若いのですが、非常に優秀です。

したがって、彼のアイデアを積極的に採り入れて進めることにしています。

仕事は、若い人にどんどん任せるべきと言うのがボクの考えです。

またITにもくわしく、英国の携帯電話会社のSIMを延長して使えるように手続きしてくれました。

それは、英語で電話の音声ガイドを聞きながら、番号を押して処理するのだから1人ではとうてい無理だったことでしょう。こんなこと、彼は(おそらく日本の若者たちはほとんど)苦もなくやってのけます。

職場では、医療ビジネスチーム長のエム女史と初めてあいさつできました。
また非医療チームのフラン女史とも顔合わせしました。

2人の女性ともに笑顔が印象的です。そして、
「ビデオ会議で会ってますよね」
とすごくフレンドリーで明るい。

こういうとき、こちらに来てよかったと思います。
なぜなら、直接相手の表情を見ながらダイレクトに話をすることで、意思の疎通がスムーズにできるからです。

日英間のビデオ会議では英語も聴き取りにくく、表情もわかりづらいのです。

それでは、コミュニケーションの半分もうまくできません。

このオフィスの職員の7割は女性で占められています。そのほとんどが理化学系の博士課程を経たリケジョです。

キャンパスや食堂では、多くの女子学生もみかけます。
オフィス内にポスターが貼ってあり、

「本学のリケ女たちが未来を元気にする」

といったようなメッセージが書かれていました。

ちなみにこの大学は理工・医学系なのです。

(ただしビジネススクールも併設されていますが)。

(つづく)

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