Topic 114, 115 で名詞が数えられるときと数えられないときの区別の仕方として、その名詞がくっきりとしたイメージで目に見えるかを考えたら良いと言いました。

それでは、つぎの文を英語にしてみてください。

◎君の家に車で行くよ。

車のイメージがくっきりと目に見えます。それなら by a car と言えば良いでしょうか。

いいえ、違います。次のように言います。

I’m coming to your home by car.

では、次の場合はどうでしょうか。

◎彼が車にひかれた。

はい、答です。

He was hit by a car.

同じように前置詞 by が付くのに、また、同じように車のイメージが浮かぶのに、どうしてこの違いが出るのでしょうか。

まず初めの by car は車という輸送手段を指しています。車の「特性、機能」に着目しているのです。

一方2番目の車はまさに「一台の走っている車」を指しています。受け身形になっていますが、能動態で言い換えることができます。(→A car hit him.

これに類似した言い方には次があります。

I go to school every day. (学校に通学するのは教育を受けることなので冠詞がつきません。)

I went to a school in the city to make business.
(商売をするために学校に行く場合、学校という建物に行くわけですから、a school, または the school と冠詞がつきます。)

結局のところ、ネイティブにとって可算名詞か不可算かという選択をして話をしたり、書いているわけではありません。

彼らにとっては、話したり書いたりするとき、by a carby car とは見え方が異なっており、別なものとして認識されていると言うことです。

前回の Topic 115 で書いたエピソードですが、裏庭で遊んでいる a chicken とバーベキューで食べる鶏肉の chicken はまったく別のものとして見ているだけで、chicken があってそれに a を付けるか、付けないかと考えているわけではないのです。

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