つぎの日本語を英語にして下さい。

ハゲの治療法を発明した人は、ノーベル賞に値する(相応しい)。

ここで、「ハゲの治療法を発明した人」の訳は、

The person who invented the cure for baldness

としておきます。cure には「病気を治す」の他に名詞で「治療法」という意味があります。ハゲは baldness です。

これを主語として、「ノーベル賞に値する、相応しい」という表現を続けることになります。

ここでのポイントは、「~に価する(相応しい)」をどう表現するかです。

こう書いてしまうと、「~の価値がある」という形容詞を使った表現を思い浮かべがちです

たとえば、be worth を使った表現です。

ここ数回で書いていることですが、形容詞で表すのでなくて、動詞で、それも1語で表現する方法について考えます。

「~に価する、相応しい」と日本語では形容詞で表現していることを、動詞1語で表現できるのです。

今回はそんな動詞表現を紹介します。

今回の動詞も、やや難しい部類の単語ですが。。。

繰り返しますが、なぜ、割と難しい動詞を取り上げるかというと、英語は動詞表現が豊かな言語であり、ある動きや状態を表すのにぴったりの動詞を知っていると、簡潔にして強力な英語表現が可能になるからです。そのためにはたくさんの動詞の語彙力をつけた方がよいのです。

さあ、ここで、冒頭の問題に戻ります。

ハゲの治療法を発明した人は、ノーベル賞に値する(相応しい)。

 

さあ何と表現したら良いでしょうか。

その答えは、







はい、答えを言いますよ。

◎The person who invented the cure for baldness deserves a Nobel Prize.

音声読み上げを聴いてみたい方は次からどうぞ。

The person who invented the cure for baldness deserves a Nobel Prize.

この deserve は、非常に強力で有用な動詞ですが、日本人英語学習者にとって使いづらいというか、使いこなせていない単語の1つです。

すこし例文を挙げてみましょう。

  • He deserves to be President.  (彼は大統領になるのに相応しい。)
  • You deserve praise.  (あなたが褒められるのは当然だ。)

以上、挙げた例は、「価値がある」「~に相応しい」場合のポジティブな面ばかりですが、気をつけなければいけないのは、ネガティブな面でも使われることです。

たとえば次の例文です。

  • You deserve it!

もし、これを強い調子で言ったら、たいへんな問題に発展しかねません。

なぜなら、この表現は時と場合によりますが、つぎのような意味になるからです。

  • 自業自得だ!

つまり、deserve はネガティブな意味でも使われるということです。(deserveそのものには、良いとか悪いとかの偏りがあるわけでなく、どちらにもなり得る、中立的であるといえます。)

たとえば次の例文です。

  • He deserves punishment if he violated the law.   (違法行為を行ったなら彼は罰せられて当然だ。)

 

今回は、「~に価する(相応しい)」deserve についてお話ししました。

 

 

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