時差は金なり

これは僕が会社に入ったころ、ある総合商社が出した本のタイトルでした。Time is money.「時は金なり」 をさらにひとひねりした、うまいネーミングです。

実際問題として40年以上も前になるその頃は、ビジネス手法として、世界の各地間での時差を利用することによって、商機を逃さないようにしたり、リスクをマネージすることができました。その点では、世界中に駐在員を配置し、一日に何万通ものテレックス情報が飛び交う商社は、言い方は悪いけれどうまい立ち回りができたと言えます。しかし現在、情報そのものはどの会社も入手でき、その格差は小さくなっており、いまや重要なことは情報の量ではなくて、その価値をどう推し量り、活かすかに変わってきています。

地球は眠らない→眠れない?

話はぐっと変わって個人的なことです。いまサポートしている会社の仕事で英国とやり取りをしていますが、まさに時差を活かした仕事の進め方ができることを身を以て経験しました。

どういうことかというとこんな具合です。

・こちらが一日動いて、そのレポートと回答の依頼を例えば17時に入れるとします。
・現在、英国との時差は8時間で、英国は日本より8時間遅いので、英国ではそれを朝の9時に受け取ることになります。
・先方が仕事をして、その日の終わりまでに回答をしてくれれば、日本では次の日の早朝に受け取り、それをもとに作業を続けることができます。

とはいえ、先方の17時はこちらの25時(深夜1時)なので、夜中にへたにメールをチェックしたりすると、そこからまたこちらの仕事が始まったりしかねません。

しんどいのは電話会議です。時刻を決めておいて日英の関係者が電話をつないで会議をします。一挙に時差を超えて話すことになるのですが、通信品質は悪いため耳に入ってくる英語は聴き取りにくく、ずっと緊張を強いられどっと疲れます。

ちなみに日本は英国から見て東経135度にあります。英国との時差について次のような計算が出来ます。

・地球全体、360度を一日24時間で割ります。360÷24時間=15度(15度毎に1時間の時差)になります。
・英国と日本の経度の差を15度で割ります。135度÷15度=9時間、つまり英国との時差は本来は9時間です。

しかし英国では3月最終日曜日1時(UTC)から10月最終日曜日1時(UTC)までの間、夏時間を採用していて時計を1時間早めています。従って、この期間は時差は8時間になるのです。
*UTCとは Coordinated Universal Time 協定世界時のことを意味します。

次のサイトは世界の時刻と時差を教えてくれます。

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