日本語で「言う」はどんな場合でも「言う」の一つだけですが、英語では、say と、tell の区別があります。また「話す」にも、talkspeak とがあります。どれも中学の初めに習いますが、どう違うのでしょうか。

say は、「~を口にする」「~と言う」意味で、発言した通りの文や語句そのものが目的語になります。

tell は、人に情報を「伝える」「教える」「語る」ことで、伝える内容や名詞などが目的語になります。

極端なことを言うと、say は口から音として出るなら何でもよい、つまり、 Say anything. と言われれば、Ummm とか、Oh! とか、音を出すだけでもよいのです。

一方、tell は、一つのまとまった内容(メッセージ)を伝える場合に使います。だから、「理由を言う」場合は、tell となり、 The Beatles の歌 Tell Me Why では、恋人に次のように問いかけています。

Tell me why you cried  理由を教えて なんで泣いたの
And why you lied to me どうして僕に嘘をついたの

speak は、(声を出して)「話す」「ものを言う」です。話し手が一方的に聞き手に向かって話している感じですから、「演説する」時にも使います。その名詞が speech です。

talk は、相手と言葉のキャッチボールをしながら「話す」「話し合う」ものです。一方的でなく、お互いに言葉を交わして、おしゃべりする感じです。

Simon & Garfunkel The Sound Of Silence にはこんな一節があります。

People talking without speaking     人々は語ることなく喋っている
People hearing without listening     人々は聴くことなく聞いている

People writing songs that voices never share 人々は誰に共有することもない歌を書いている

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