今回は以前書いた記事の修正というか、追加情報です。かつて、盲点の英単語(その12)「ディスるってどういう意味?」という記事を載せました。

そこで書いたことは、

①若者を中心に使われている「ディスる」が disrepect から来ているらしいこと、

②しかし、dis- という接頭辞はほかにも多くの否定的な単語で使われているものであり、それを一般化することはおかしいと指摘したものでした。

その後判明したことをお知らせします。

・「ディスる」の語源となった言葉として、diss というアメリカのスラングがあることを発見しました。
・その意味は「人をこき下ろす」という意味であること。
・通常の辞書には載っていませんが、diss は俗語として使われてます。

つまりこういうことだったのです。

・diss は、disrespect (軽蔑する)の意味合いを持つスラングである。
・例えば、He dissed me. と言えば「彼は僕のことをこき下ろした。」という俗語表現になる。
・その diss から日本語の 「ディスる」という若者言葉につながったらしい。

これで語源はわかりました。おそらく若者を中心としてこの言葉はどんどん人口に膾炙していくことでしょう。なぜそう思うかというと、日本語の口語表現では、ある意味ネガティブな言葉は言い換えることで直接的でない含みのある表現になるとの傾向を持つからです。

たとえば僕が子供のころは「やばい」という言葉はヤクザな稼業の人たちのみが使う言葉でした。その後刑事ドラマなどを通じて一般人も使うようになっていきました。いまは逆に「すごい」という肯定的な意味でも使われているのは皆さんご存知の通りです。

一方、英語では diss を積極的には使うべきではないと考えます。スラングというのはあくまで仲間内の言葉であり、使いようによっては誤解を与えかねないからです。

もし日本語のディスるという意味を出すのであれば、それこそ disrespect であったり、speak ill of ~ (~の悪口を言う)などの正しい英語を使うのがよいと思います。

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